ロキソニンについて多い質問まとめ11選

解熱・鎮痛薬について

痛み止めと言えばロキソニン!ということで、ロキソニンについてよく聞かれる質問11個を選んでみたので、それについて回答したいと思います。

それでは、さっそく行ってみましょう。

ロキソニンの作用とは?

最初にロキソニンの作用について解説します。

炎症などが起こると様々な物質が身体の中では放出されています。その中の一つに、ブラジキニンと呼ばれるオータコイド(局所ホルモン)があります。

ブラジキニンは血管を拡張させたりする作用があります。障害を受けたり炎症が起きている組織では、浮腫(浮腫み)を生じさせたり、知覚神経へ痛みの刺激を生じさせたりします。

もう一つ、知っておいてほしいものとして、プロスタグランジン(PG)があります。このプロスタグランジンはブラジキニンの痛みの閾値を低下させる(痛みを感じやすくする)という作用があります。

がん疼痛の薬物療法に関するガイドライン 2010年版より

ロキソニンはシクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素を阻害することによって、プロスタグランジンの生成を抑制します。

先ほども記載したように、プロスタグランジンはブラジキニンによる痛みの閾値を低下させる作用があります。

この時、痛みの閾値を低下させるのは主にPGEであるとされています。

つまり、ロキソニンはシクロオキシゲナーゼを阻害することで、プロスタグランジンの生成を抑制することにより痛みを感じにくくしているということです。

空腹時にロキソニンを服用してもいい?

先ほど、解説した通りロキソニンはシクロオキシゲナーゼという酵素を阻害して、プロスタグランジンの生成を阻害します。

ただ、プロスタグランジンのサブタイプであるプロスタグランジンE(PGE2)は、胃粘膜の分泌を増加するという作用があります。

ロキソニンを服用することでPGE2の生成が抑制され、胃粘膜が減少するので、胃酸で胃が荒れる可能性がでてくるというわけです。

胃が荒れることを防ぐために、できれば食後に服用するほうがいいです。

これは、一食まるまる食べてください。というわけではなく、少しでもいいので食べれるなら食べたほうがいいですよという意味です。

食事は約2~3(脂肪分の多いものでは4~5時間)かけて胃で消化されます。

ロキソニンを服用してから、胃に貯留物があれば、その間は物理的に胃酸が薄められることになります。

ロキソニン(活性代謝物を含む)の半減期は1時間15分であるため、ロキソニンの作用が持続している間は、胃に食べ物があることで、胃酸を薄めてくれています。

水分は一般的に、胃での滞留時間は20~30分とされているので、できれば食事をすることをお勧めします。

ロキソニンは眠くなる?

ロキソニンで眠気が出ることはほとんどないと思います。

ロキソニンが痛みを軽減させる過程で、眠気を誘発するような作用点はありません。

そのため、まず眠気が起きることはまずないでしょう。

データ上では、0.1~2%未満に眠気が現れたとされてますが、実際はもっと低い確率になるのではないかと思います。

ロキソニンを使えない人はどんな人?

あくまで一般的に使用を控えたほうがよい・使用してはいけない場合について記載していきます。実際は使用することもあるので、こちらは一般的な考え方として捉えてください。

ロキソニンの使用に関して注意が必要な人・使用できない人

  • 消化性潰瘍のある患者(潰瘍性大腸炎、クローン病など)
  • 重篤な血液障害のある患者
  • 重篤な肝臓機障害のある患者
  • 重篤な腎機能障害のある患者
  • 重篤な機能不全のある患者
  • アスピリン喘息又はその既往歴のある患者
  • 妊娠後期の女性(出産予定12週未満の患者)
  • 15歳未満の患者※

※市販薬のロキソニンSでは15歳未満は使用をしないことになっている

ご自身の判断で、市販薬のロキソニンなどの痛み止めを使用されている場合は、慢性疼痛で使用しているような場合を除いて、3~5日間使用しても痛みが改善しない場合は医療機関を受診するようにしましょう。

ロキソニンなどの痛み止めは、あくまで痛みを緩和しているだけで、根本的な痛みの原因を取り除いているわけではありません。

痛み止めを使用することで、痛みは抑えられていたが、実は思わぬ病気が隠されていた。というような事も考えられます。

数日使用して痛みが取れなければ医療機関に受診しましょう。

ロキソニンは何時間間隔空ければいいのか?

ロキソニンは一度使用したら、次回服用するまでの間隔は最低でも4時間は空けるようにしましょう。これは、ロキソニンSの説明書にしっかりと記載されています。

また、市販のロキソニンSでは1回1錠で1日2回まで、痛みが引かない場合は最大1日3回まで使用可能になっています。

ロキソニンS、ロキソニンSプラス、ロキソニンSプレミアムの違い

市販薬のロキソニンSは医療用のロキソニンと成分は変わりません。どちらも主成分であるロキソプロフェンNaを60mg配合(無水物として)しています。

ロキソニンSプラス、ロキソニンSプレミアムでは、主成分であるロキソプロフェンに追加して、さらにいくつかの作用を持った成分が追加で配合されています。

違いを下記の表にまとめたのでご覧ください。

商品名主成分作用
ロキソニンSロキソプロフェンNa炎症や痛みのもとをおさえる
ロキソニンSプラスロキソプロフェンNa
酸化マグネシウム
炎症や痛みのもとをおさえる
胃の粘膜を保護する
ロキソニンSプレミアムロキソプロフェンNa
アリルイソプロピルアセチル尿素
無水カフェイン
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
炎症や痛みのもとをおさえる
痛みをおさえる効果をたかめる
痛みをおさえるはたらきを助ける
胃の粘膜を保護する

ロキソニンS、ロキソニンSプラス、ロキソニンSプレミアムの添付文書参考にして作成

プラス、プレミアムとなることで主成分が追加されていくことがわかりますね。カフェインは自分も薬剤師になって調べるまでは知りませんでしたが、鎮痛効果を増強するというエビデンスがあるようです。

アリルイソプロピルアセチル尿素は、鎮静成分一種で、鎮痛効果を高めるとされています。ただ、鎮静作用(気分を鎮める)があるので、眠気などが出ることがあります。

ロキソニンプレミアムに配合されているカフェインは鎮痛効果を圃場するだけでなく、アリルイソプロピルアセチル尿素の眠気を防止する意味でも添加されているのでしょう。

ロキソニンの剤型はどんなものがある?

市販のロキソニンSには内服以外にどのような剤型があるのか、現在販売されているものを以下に示します。

内服薬に関しては「ロキソニンS、ロキソニンSプラス、ロキソニンSプレミアムの違い」を見てください。

商品名剤型特徴価格(メーカー小売希望価格:税込み)
ロキソニンSテープテープ7cm×10cm7枚入り:1,078円
14枚入り:1,738円
ロキソニンSテープLテープ10cm×14cm7枚入り:1,738円
ロキソニンSパップ湿布10cm×14cm7枚入り:1,408円
ロキソニSゲルゲル関節部位にも塗りやすい25g(1本):1,298円
ロキソニンSローションa液体手を汚さずにサッと塗れる25g(1本):1,298円

第一三共ヘルスケアHPを参考に作成

あとは、各剤型の簡単な特徴を下記に表にしておきますので、どの剤型がいいのか参考にしてみてください。

剤型特徴
テープ粘着力が強くはがれにくい。湿布よりもかぶれやすい。
湿布テープよりはがれやすい。水分が多いので肌に優しくかぶれにくい。
ゲル主にゼリー状で目立ちにくい。ローションよりも滞留性がよい。水で洗い流せる。軟膏やクリーム剤よりも刺激感が強い。
ローション液体で目ただない。さらっと使用感が良い。水で洗い流せる。軟膏やクリーム剤よりも刺激感が強い。

ロキソニンを長期間服用しても大丈夫?

医師の指示のもと長期間使用する分には大きな問題はないと思います。

関節リウマチや加齢による腰痛や関節痛などの慢性疼痛があるような方では、長期間ロキソニンを服用することも十分にあります。

消化性潰瘍や肝機能・腎機能、各種血球の値に注意しながら使用する分には大きな問題はないでしょう。

「ロキソニンを使えない人はどんな人」にも記載したように、ロキソニンは痛みの根本的な原因を取り除いているわけではありません。なので、急性期の痛みには注意が必要です。

ロキソニンを数日間使用しても痛みが引かないような人は、思わぬ病気が隠れていることがあるので、医療機関を受診しましょう。

ロキソニンは2錠飲んでしまった。大丈夫でしょうか?

市販薬のロキソニンSであれば空腹時を避けて、1回1錠で服用することになっています。

誤って1回2錠で服用してしまった場合はどうすればよいのでしょうか?

用法用量を間違えないように服用してください。というのが一番ですが、間違えることもあるでしょう。

もし、1回2錠で服用してしまった場合でも、よほど健康被害が起きる確率は低いのではないかと思います。

理由としては、医療用のロキソニンでは1回2錠で使われることもあるからです。もちろん、医師がしっかりと患者さんの状態や病態を把握して用法用量を決めているので、絶対に大丈夫とは言えません。

しかし、もともと1回2錠で使うことを想定して作られた薬剤なので、よほど何か起こるということは考えにくいかなと思います。

もし、体調に異変があるようであれば早く医療機関を受診するようにしてください。

カロナールとロキソニン併用できる?

カロナールも解熱・鎮痛剤としてよく使用されている薬剤です。

QLifeより

まずは、下記の表にそれぞれの薬剤の特徴を示します。

薬剤名(成分名)特徴
カロナール(アセトアミノフェン)・カロナールにはCOXを阻害する作用がほとんどないので消化性潰瘍を起こしにくい。ただし、炎症を抑える作用はほとんどない
・解熱作用は体温調節中枢に作用して、皮膚血管を拡張して熱放散を増大させることで体温を低下させる
・鎮痛作用は視床と大脳の痛覚閾値を高めることによる
ロキソニン(ロキソプロフェン)・ロキソニンには抗炎症作用がある。ただし、胃粘膜が減少して消化性潰瘍が起こることがある
・解熱作用はPGの生成を阻害することで、PGE2の発熱作用を抑制する
・鎮痛作用はPGの生成を抑えることで、ブラジキニンの痛覚閾値が低下するのを阻害する

解熱・鎮痛効果の作用機序に違いはあるものの、やはり大きな分類としては同一系統の薬剤となってしまいます。

この質問の回答としては、カロナールとロキソニンは同一系統の薬剤になるため、あえて一緒に使用する必要がない。という感じになります。

アレグラとロキソニン併用できる?

アレグラは花粉の時期になるとよくCMがやってますね。ご存じの方も多いと思います。もしくは、実際に使用しているという方もいるでしょう。

アレグラは抗ヒスタミン薬と呼ばれる部類の薬になります。アレルギー反応を抑えて、かゆみや鼻水などの症状を軽減します。

アレグラとロキソニンは一緒に使用しても特に何か起こるということはありません。一緒に使用していただいても大丈夫です。

花粉症についてはこちらの記事をご覧ください

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